植栽基盤診断士

植栽基盤診断士とは

植栽基盤・土壌・植物・植栽に関する知識と経験および土壌調査・診断結果をもとにした処方能力を総合的に備え、植栽基盤整備に係る卓越した技術力を有する総合的な専門家。

平成15年度から(社)日本造園建設業協会(日造協)が認定している民間資格です。

創設の背景と目的

植栽工事での植栽樹木の枯損や生育不良の原因の中で、最も多いと推測されているものが植栽地の地盤不良です。道路や大規模な造成地では、固い地盤や排水不良などにより植物が正常に生育できず、地盤不良のままでの植栽施工が増えるにつれ大きな課題となってきました。

このような中、「植栽基盤」は植物の活着と生育に大きな影響を及ぼすため、造園の施工者においても対応できるよう、植栽基盤整備の充分な技術力の向上が急務となっていることから、 日造協は建設省の土木研究所の協力受け、平成2年度から4年間にわたり"植栽基盤の造成技術に関する共同研究"を行いました。

植栽対象地の改良を提案するためには、現場の調査・土壌の物理性・化学性の診断・排水性の確保・植栽される植物の性質や工法・経済性の比較など施工者側の植栽基盤に関する高度な技術が要求されています。

また計画地の調査・診断結果をもとにして植栽基盤整備の観点にたって下す処方能力・提案力を保有していることがますます施工者側に問われることになると予想されます。

そのためには、体系的・組織的に植栽基盤に関する質の高い技術者を育てていくことが必要となり、このような状況を背景として、10年以上にわたり日造協が調査研究と研修の集大成として、植栽基盤診断士の認定制度を創設しました。

また、国土交通省の「新土木工事積算大系」の工事工種の体系化が構築された中で、公園緑地分野においては「植栽基盤工」が新工種として採用され、平成13年度より直轄工事で本施行となりました。

植栽基盤診断士
植栽基盤診断士
植栽基盤とは

土木研究所との共同研究の際、はじめて植栽基盤とは「植物が正常に生育できるような状態になっている地盤」だけを示す用語であると定義しました。

植栽基盤が成立するためには下記の事項が必要となります。

  1. 十分な深さと広がりを持つこと
  2. 物理的条件として
    • 良好な透水性
    • 適度な硬度
    • 適度の保水性
  3. 化学的条件として
    • 生育に障害を与えるような有害物質を含まないこと
    • 適度な酸度
    • 適度な養分量
植栽基盤とは
「植栽基盤診断士」の役割

植栽基盤診断士は、植栽基盤・土壌・植物・植栽に関する知識と経験および土壌調査・診断結果をもとにした処方能力を総合的に備え、植栽基盤整備に係る卓越した技術力を有する総合的な専門家です。

植栽予定地の現況調査と診断、植栽基盤とするために必要な改良の計画立案と具体的な処方を発注者等へ施工性・経済性を考慮して明確にデータを示しながら技術提案することがその重要な役割となります。

「植栽基盤診断士」の役割
「植栽基盤診断士」の役割

詳しくは日造協本部またはお近くの支部へお問い合わせ下さい。

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